死の骨董―青山二郎と小林秀雄
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作者 : 永原 孝道
定価 : ¥ 2,940
出版元 : 以文社
発売日 : 2003-05
カテゴリ : 単行本
ランキング : 279698
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| 価格 | 商品名 | 納期 |
| ¥ 2,940 | 死の骨董―青山二郎と小林秀雄 | 通常1〜2週間以内に発送 |
深く踏み込むついでに言わせてもらえば、青山二郎について遺された文章だけを持って論じるのは難しい。
青山二郎については、その人生全てがいわば作品といえるうえ、物書きをメインの活動分野にしていないだけに、文を持って青山二郎の「全て」を論じるのは危険である。
やはり、彼を論じるには彼の「触媒」となった古美術品を観て、その眼力のほどを確かめた上で述べた方が良いと思う。
ここまで深く読みきれるか?青山二郎とは何者だったかについて、特に小林秀雄との長年の交友については白洲正子の書いた「いまなぜ青山二郎なのか」に尽きるとこれまで私は思ってきたし、彼の伝記・評論については今後挑む者はいるまい、と考えていた。
しかし、この本の著者はその困難な事業にあえて挑戦し、一冊の本にまとめることに成功した。そのことには敬意を表したい。しかし、読んでいくにつれそういいきれるのか?といくつかの論点について疑問に思ったのも事実である。
一つ例をあげたい。あの有名な小林秀雄の随筆「真贋」の中の有名なエピソードである。小林秀雄の買った呉須赤絵の皿を青山二郎が贋物と断定したにもかかわらず、小林はあきらめきれずに壷中居の主人に観てもらい真物だと認められた。そのことと、随筆???冒頭で小林の友人である吉野秀雄から贋物と言われた良寛の掛け軸をすぐに刀で切り裂いたことを、著者は対比させ、青山二郎の眼を信用せずに吉野秀雄氏の言ったことにはすぐに対応したことにより、この本の著者は「真贋」を「青山の「眼」に対する小林の絶縁宣言だ」と断定している。
しかし事はそう簡単ではない。その良寛の軸について「真贋」冒頭で小林は「何も良寛の書を理解して合点しているわけではない。ただ買ったというので何となく得意なのである」と書いている。つまり小林はただ良寛という「ブランド」だけに惹かれてその書を買ったのであって、その書に対して執着していない。それに対して呉須赤絵に対する執心は大変なものである。その執着の差が現れただけだと私は感じる。
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